ふと、目が覚めた。

午前二時、外は豪雨だった。
私はベットの中。




親とケンカして家をでて1週間。
今までは友達の家を転々として泊まっていた。
そろそろ行くとこがなくなった。

公園のベンチで5時間くらいボォーッとしていた。

そんな時声をかけてきた一人の男の人がいた。

「こんなところで何してるの?」

私はシカトした。
それでもお構いなしに話しかけてくる。

「俺、さっきそこでギター弾きながら歌ってたんだけどさ、みてた?」

「ぁぁ。ギターの人か」

私はつい声にだしてしまった。

「あ、聞いててくれたんだ!よかった。今日誰も足止めてくれないから心配でさ…」

「私、別にあなたの歌聞いてたわけじゃない」

「うん。わかってるよ。それでもいいんだ。俺の印象が君に残れば」

そう言ってニコって笑った。

そのとき雨が降ってきた。

「うわ!雨だよ。最悪!早く雨宿りしなきゃ!」

彼はギターを肩にしょった。

「何してんの?ほら早く行くよ!」

「ぇ…」

私の手をとり走り出した。

近くのコンビニまで手を繋ぎながら走った。
今日は朝からなんも食べていなくて辛かった。
息を切らしていると彼はまた喋った。

「俺ん家、この辺なんだけど…服、乾かしに行く?」

私は無言で頷いた。