私は毎朝携帯の目覚ましで目が覚める。
今の季節まだ外は暗い。まだあかない目を無理やりあけ、キッチンへ向かう。冷蔵庫を開け、殺風景な庫内を見つめ卵を取り出す。ほぼ毎日卵焼き。結婚して5年間あまり代わり映えしないお弁当。
いくつになっても朝の弱い旦那を起こし、5年間変わらぬ笑顔で見送る。旦那が出勤した後、私は妻から母になる。
うちにはこどもが二人いる。「保育園行くんだからもぅ起きなさいよ~」それでも起きないこどもたちをリビングまでつれてくる。こどもたちが寝ぼけながら教育テレビを見てるすきに私は朝食準備。こどもたちがごはんを食べてるすきに私は身支度をする。全てが完了し、こどもたちを保育園へと車で連れて行く。こどもたちと別れ車に戻った私は深くため息をつく…。自分でもなんのため息かはわからない。急いで家に戻り車を置いて出勤する。ここから私の女としての一日が始まる。
私の職場は最寄り駅から直結なので車通勤は禁止。でも私は地下鉄で通勤するのが好き。田舎育ちで何をするにも車だった私は公共交通機関が大好きだ。満員電車も苦じゃない。一時育児休暇をとっていたので社会との疎外感を二度と味わいたくないのかもしれない。