【市川桜サイド】

「ふんふんふ~ん」

屋上の鍵をくるくる回しながら、鼻歌交じりに階段を下りる。

スキップしてしまいたいくらい気分がいい。

終わってしまえば、案外あっけないものだった。

五十嵐翔も、三浦玲央も、白石好未も島田君も。

こうなったのも、全部あいつらが悪いんだ。

莉乃とあたしの間に割って入ろうとしたんだから。

あぁ、島田君は例外だ。島田君はあたしの協力者なんだから。

けれど、彼には感謝してほしいぐらい。

だって、五十嵐翔に復讐できるチャンスを与えてあげたんだから。