「……ハァハァ……」 必死に階段を駆け上がり翔から逃れようと必死に走り続ける。 シーンと静まりかえった廊下にあたしの上履きの音が響き渡る。 「……――莉乃!!!」 後ろから翔が追いかけてくる。 好未は無事だろうか……? さっきの女子生徒が救急車を呼んでくれることを願うことしかできない自分が情けない。 だけど、今は翔から逃げることで精一杯だった。 心臓がバクバクと震えて異常なまでに気持ちが高ぶる。