雨花に別れを告げて以来。
今まで通りには出来ないと言った雨花の言葉通り、俺たちが言葉を交わすことはなかった。


教室で不意に目が合っても、すぐに目を伏せて逸らされてしまう。


もう雨花が今までみたいに俺に笑いかけてくれることは無いんだって、視線の重ならない雨花を見てやっと実感した。


それを寂しいと思うのは、多分消えない罪悪感と、少なからず沸いた雨花への情のせいだと思う。


俺はこの罪悪感と情から逃れたくて。
汰一に働きかけて貰って、あんなに躊躇していた晴奈ちゃんと、あっという間に連絡を取り合うようになっていた。


元々晴奈ちゃんは、俺を気に入ってくれていたのもあって、
そのままとんとん拍子に何度か遊びに行ったりもするようになった。


晴奈ちゃんの華やかな見た目は、一緒に歩いてるとたまにすれ違う男が彼女を目で追っていたりするくらいだ。


それだけじゃない。
持ってるものも会話も如何にもイマドキな感じだし、一緒に遊びに行くと楽しい。


彼女居ない暦と年齢が同じであろうと童貞であろうと、こんなに可愛い彼女が出来れば箔がつく……なんて思ってた俺の目論見どおりに事が進んでいっていた。