友達に誘われて他校の女子と5対5のコンパをしたのが2週間ほど前の出来事。


その場はそれなりに盛り上がって、「また集まろう!」なんて社交辞令なお決まりの挨拶を交わして、それっきりになっていた。


まあ、可愛いとは思う女の子は居たけど、特に気に入った女の子が居たワケじゃない。
だから俺自身も「また」の機会なんてくるワケないって思って、コンパのことすら記憶が薄らいでいた今日この頃。


「真ん中に座ってたストレートロングの可愛い子居ただろ? 晴奈ちゃんっつーんだけど……あの子が憂梧のこと気に入ってんだって」


休み時間。
同じクラスで付き合いも長い友達の航平と教室の後ろでダラダラと喋ってた時のこと。

いつもつるんでる連中の一人で、この間のコンパの幹事をやっていた友達の汰一がニンマリとした笑顔を貼り付けて俺たちの前に現れた。