あたしは中谷 心咲[みさき]。


今年の春から中学三年生。いよいよ受験生になる。


いつものように 目覚ましと同時に起き、身仕度を済ませ 隣に住んでいる幼なじみの坂本 芽依[めい]と学校へ向かった。



「うちらももうちょっとで三年生だねー」


「うん。あーぁ 受験やだな…」


「ほんと ほんと…」



「おー おはよー 中谷!」


「あ 遼太。 おはよー」


一年の時 クラスが一緒になり 仲良くなった 伊藤 遼太[りょうた]。


毎朝 声をかけてくれる。


「ねー 心咲!遼太とめちゃ仲良くない?」


「えー…そうかなぁ。考えたこともなかったけど…」


「付き合っちゃえば!?」


「はあぁ!? なに言ってんの 芽依!」


「えー だって 朝 挨拶し合う男女なんてなかなかいないよー?」


「あたし 別に遼太のこと そんな風に思ってないし。てか 恋とかよくわかんないから…」


「あー… 心咲 そうだったね… でもね!その内 そういう人が現れるよ♪」


そうかな… そういうもんなの? 恋愛って。