もう、何回の昼と夜をすごしただろう。

ニンゲンの言葉で、今は『梅雨』と呼ばれるものらしい。

そして『梅雨』には雨が降るらしい。

昼間は太陽に焦がされそうなほど暑いのに、濡れた体は夜になると震えた。

毎日、暑さと寒さが交互にやってきて、僕から力を奪っていく。

小さな虫が僕の血を吸って、痒くてたまらなかった。

払っても払っても虫たちは寄ってきた。

それよりなにより、とにかく四六時中、お腹がすいていた。

泥水を飲むのにも慣れたし、たまに食べ物をくれるニンゲンがいたけど、それだけじゃとても足りなかった。