「おはよう!」

いつものように教室に行くと昨日まで空いていた席に、

座っている人が振り向いた。


「秀ちゃん!」


「おお。」


そう言って少し手を挙げた。

みんな気がついてなかったみたいで、一斉に視線が集まりそしてみるみる囲まれた。


相変わらず人気者だ。


元気そうでよかった。

久しぶりに会えたのに、話は出来そうにないな。

あたしは自分の席に座って


穏やかに笑った優しい表情の秀ちゃんを眺めた。

嫌いになりたかった。

手の届かない人、

この人のたった一人の人になりたくて

叶わないなら嫌いになりたいって思ってたのに。

でも、もういいいや。

秀ちゃんの特別があたしじゃなくても

女の子としてみてくれなくっても。

あたしの一部は、一生秀ちゃんといられるんだもの。

あ、こういううときに使う言葉かな?

本望…です?