泣き声が聞こえた…。


帰り道、必ず通る赤い鳥居の神社。


真っ暗な空が広がってんのに

アイツはいつもそこで1人泣いていた。


俺は田中と隣に並んで歩いていた。


でも俺は思わず頭をワシャワシャとして

通りすぎた鳥居の方を向いた。



「悪りぃ…あそこの神社寄ってもいいか?」


俺が田中にそう言うと、田中は


「うんっ!」


って素直に笑ってくれる。



田中のどこが好きかって?

今までの女は俺の顔を見てた…。


俺の中身なんて見ようとしなかった。