荷物を積み彼の車に乗る際に、また賑やかな声が聞こえてきた。

 どうやら、あの場はまた盛り上がっているようで、ギスギスした空気になっていないと分かり少しホッとした。

 お義母さんが「瑞希さんまたね」と笑顔で見送ってくれた。

 あんな事を大声で言ってしまって正直嫌われたと思っていたが、お義母さんは変わらず笑顔で接してくれた。

 彼とマンションに戻るとまたいつもの生活に戻る。

 ただ、あの一泊が切っ掛けで彼との距離が一気に縮まってしまったようだ。

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 ……困った。

 私の前を歩く彼に付いて歩く。

 ただ付いて歩くのならいいのだが、彼の左手と私の右手は繋がれている。

 今日は仕事が休みの為、買い物に彼と出掛けたのだが何故か手を繋いで歩きましょうと彼が私の手を握ってきた。