「章吾!」

「ん?」

名前を呼ばれて振りかえると神矢玲二(かみやれいじ)がいた。

「二組と合同のカラオケ、おまえも行くだろ?」

二組か~。

「俺、パス。」

「え?なんで?」

「二組にひとり、しつこいのいるから。」

「おまえ、またフったの?」

「うん。」


あいつ、マジしつこい。

俺、『彼女とかいらない』って何回も言ってるのに

ずっとつきまとってくる。

今日も、合同って知ってるなら来てるだろうし。


「モテる奴は余裕でいいね~。」

ニヤニヤする玲二がうざい。

「入学して2ヶ月で3股かけてる奴に言われたくねーよ。」

「ちょっ!馬鹿。声でけえよ!」

玲二は、途端に焦りだし、周りを伺う。

そして、彼女たちがいないのを確認してホッとしたようだ。

「おまえ、めんどくさくねーの?」

3股とか聞いてるだけでめんどくさそう。

女子って束縛激しいし、すぐ気持ち押し付けてくるし。

だから、付き合いたくないんだよ。

友達は別に全然いいんだけど。