「優未ー?!早く起きなさいー!」

「うっ…ん……」


朝からうるさいお母さんの鬼声で起こされる私の朝は毎日憂鬱。


でも、…今日は一段と…。憂鬱…。

「頭痛い…」

チラッと、壁鏡を見ると目が真っ赤に染めあがっていた。

こんな顔…、隆太君に見せれない……。いや、見せたくない。


「優未ー!!」

私がうじうじ考えていると。急にバンッと、部屋のドアが荒々しく開いた。

「ぅわっ?!お母さん!?…ノックしてよ?!」

私は、急いで欠伸してましたよ、的な雰囲気を醸し出して、顔を隠した。

「アンタが、起きてこないからでしょ!!!早くご飯食べなさい!冷めるわよ!」

本当にもう!と、お母さんは文句を言いながら、部屋から出て行った。

「………ふふっ」

…お母さんには、やっぱり叶わないや。…こんなにうじうじ考えていても、しょうがないよね。

隆太君には、幸せになってもらいたいから…。

だから、私にはもしかしたら…。あの答えしかないのかな。

「でも、今日の放課後まで…。何も知らない事で…隆太君と一緒にいさせて下さい」


私は、目に涙を浮かべながら。なにも知らない綺麗な空に向かって、最後としての幸せをお願い事をした。