脇腹に残る青あざは、じんわりと痛みも与えた。
痛みによって目を覚ました前川は、まだはっきりとしない視界の中で体を起こした。
体は鉛のように重く、雪が連れてきた寒さのせいでか頭も痛んで、小さく声をあげた。
灯りに布団――ここが屯所だと理解をし辺りをみた。
哀音によって気を失った仲間が眠っている。手当はされていて、ほっと息をついた。
と、襖が開いた。そこにいるのは組長の斎藤一であった。
「斎藤さん」
姿勢を正そうとして制止された。そのままの姿勢で話をすることになる。
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