ケータイ小説 野いちご

【企画】魔法が醒めるとき

☆6☆




家に帰る前に開いた携帯には、沢山の着信があった。


父の携帯、母の携帯、自宅……東吾さんの携帯までも。


気分が悪いって言って抜けたのに、帰らなかったら心配するよね。


これは、あたしが悪い。
ちゃんと謝らなきゃ。


「ただい……」

「月美っ!」


ただいま。そういう前に、父の大きな声が飛んできた。


「どこに居たんだ!?」


普段、あまり感情を外に出さない父が、怒るのは当たり前の事だ。


「ごめんなさい」

「だから、どこに居たんだ!」

「帰りにどうしても気分が悪くて……春の家に寄らせてもらったの」


絶対聞かれると思っていたから、帰る前に春にアリバイを頼んだんだ。

春の家は、光の実家から帰り道の途中にある。



これならバレないと思った。



「嘘を吐くんじゃない。どこに居たんだと聞いてるんだ」

「え? 嘘なんかじゃないよ、春の家に……」

「さっき源さんから電話があった」


低くなった父の声に、血の気が引いた。



え?
源……さん?





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