side 千愛実




苦しい。



苦しい。





……胸が、痛い。







私は早足で家までの道を歩いていた。

どうしようもなく苦しくて、痛くて。



早く家に帰りたかった。




ズキズキと痛む胸を抑え、溢れる涙を拭いながら歩いた。







放課後、用事が入ってしまった南波を残し、私はいつも通り西南高校へと向かった。





今日も会えるという嬉しさと、会ったら何を話そうかというワクワクした気持ちでいっぱいだった。