「おいで、芽依ちゃん」




数学が終わり、左隣から聞こえた声に顔をしかめる。

おいでって犬や猫じゃあるまいし。




「手がかかるなぁ…」



何て聞き捨てならない台詞が聞こえてきたかと思うと急に腕を掴まれて




「ちょっ──」




私の反論を聞こうともせずに、そのまま腕を引いて教室を出ようとする。

嘘でしょ!?

こんな状況で教室から一緒に出たらまずくない!?



振り払おうとするけど力では敵わない。