目が覚めると、しばらくボーッとしていた。


枕元には、光さんからもらったマフラーが置いてある。


お兄様が返してくれたんだろう。


あれから4年。
もう、マフラーには、光さんの香りなど残っていなかった。


それでも、お守りのように肌身離さず持つ事にしていた。


それからというもの、私は定職につかずに、フリーターとして働いていた。
コンビニでアルバイトをするものの、容姿のせいで、あまりレジにも入れられない。


できるだけ奥で、ひっそりと仕事をしていた。


時の流れというものは早いもの。


春が過ぎ、夏が来て、やっと、涼しくなってきた頃の事だった。


私はバイトの休みに珍しく、1人で出掛ける事にした。