文化祭が終わって、実佑に事情を話すと、呆れたようにため息をついた。


「キスされた…とこまでは順調だったのにねー…。なんでそこで逃げ出すんだか」


「だ、だって」


すごく、すっごく恥ずかしかったんだもん。


思い出しただけで、顔が赤くなる。


私が俯いていると、今流行りの歌が流れ出した。


実佑の携帯の着うただ。
実佑は、誰からの着信か見た後、私の顔を見た。


「光くんからだ」


「ええっ!?」


「噂をすれば影ってやつね。出ていい?」


私は頷いて、また俯いた。


私が逃げ出した事、怒って…実佑の携帯にかけたのかな。と私は不安になった。


実佑は、ただ、うんうん、と返事をするだけなので、何を話しているのかは分からない。


「うん、分かった。伝えておくね」


そう言って携帯を切って、ポケットに直すと、実佑は私の顔を見る。