窓を開けると、風がとても気持ち良くて、すうっと、深呼吸をする。


空も綺麗で、今日は、なんだか良い事がありそうだと、意味も無く思ってしまう。


私の通う高校は、とても緑が綺麗で、窓から景色を眺めるのが日課になっていた。


「ねーねー。」


イキナリ肩に手をのせられて、体がビクッと反応する。


声からして、きっと男の子。


「どこのクラス?名前教えてよ」


ナ、ナンパ?
学校内で?


…なんて、積極的な人だろう。


そう思って、拳をギュッと握った。


「わ、わたし…」


くるりと、振り返る。


うつむいたままで、顔が上げられない。
もじもじと、指と指をつつく。


「か、花憐(かれん)です。」


「へえー、可愛い名前じゃん!顔上げてよ。…あ、もしかして恥ずかしいの?」


「…はい…。あ、いえ!」


バッ、と。勢いよく顔を上げた。


彼は、とてもイケメンだった。
…でも、鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしている。