和泉くんが体調悪いって言ってる中受けた面接は、見事に落ちてしまった。

その後も、派遣会社の仕事は何度かエントリーしてみたけれど、連絡はまだない。
つまりは他の誰かが私より優れていたって事で。

もしかして、前の会社での事とかが情報として私の履歴書に書かれていたりしたら先が暗いなぁ。
協調性がないみたいな感じで捉えられてたら救いようがないかもしれない。

でも元はといえば、私の男を見る目がなかったのが問題だったんだし、と気持ちを切り替えようとしたけれど、落ち込んだ気持ちがそう簡単に浮上してくるわけでもなく。

肩を落としたまま、元カレに指示されたお店に向かう。

ジェリドとか言ってたけど、英語かな。それとも意表をついて漢字だろうか。
聞きなれない単語だから忘れないように、頭の中で何度も繰り返しながら駅からの道を歩いていく。

そして和泉くんから教えてもらった通り、五分くらい歩いたところでそれらしき看板を見つけた。

英語でもなく漢字でもなく、カタカナで書かれている店名が、下から間接照明を浴びて控えめに浮き上がっていた。