高く登った太陽は、今年一番の猛威をふるっていた。どこまでも降り注ぐその光を遮るようにカーテンを引いて、ガンガンにエアコンを効かせた室内では、向かいに座っている隣に住む男が、テレビを見ながらのんきにアイスを食べている。

私はそんな平和な男の横顔を、何と無く眺めていた。

「恭ちゃん、お夕食、食べてく?」

母がキッチンのカウンター越しに彼にそう尋ねると、彼は即答した。

「いただきまーす」

すると、フフフと微笑みなが、母は家事に戻って行った。

包丁を叩く音が軽快に聞こえてくる。その音を聞きながら、少しだけ目をつむった。