目を開けると、そこは実習室らしき部屋だった。

「わぁ…」

思わず感嘆の声が漏れる。


壁一面の棚にずらっと並べられたフラスコの中には、古びた固形の何かが入っていたり、赤色や緑色、オレンジ色に紫色など、色とりどりの液体が入っている。

フラスコ類の隣に並ぶガラス瓶にも、同じように得体のしれない液体や粉が入っていた。


いかにも実習室、というような部屋。


「由良の席はここみたいよ」


美玲が教えてくれた席には、あたしの名前が書いてあるネームプレートが置いてあった。


この学園って本当に親切だね!



隣には、教室でまったりしていたあの男子が座った。


…こっちをガン見しながら。




そんなに、見る必要ないよね?


あたしを見たってなんの利益もないし。


それより美玲を見る方がよっぽど目の保養になると思うんだけどなあ…


あ、もしかしてあたし、何かおかしいのかな!?


制服にゴミがついてるとか!?

靴下に穴があいるてるとか!?

髪の毛はねてるとか!?


パパッと確認してみるけれど、おかしいところは見当たらない。


じゃあ一体どうしたんだろう、と思いつつもあたしは席に着いた。