柚と過ごす時間は、本当に心地いい。


やべぇな。


俺、ずっと顔が緩みっぱなしかもしれねぇ。


頬を擦りながら、リビングのすぐ隣にあるキッチンの方に視線を向けた。


今、柚は夕飯の準備をしている。


ツリーの飾りつけが終わったことだし、ゆっくり休憩すればいいのに、早速…準備に取り掛かってしまった。


俺はと言えば、こうしてリビングでソファーに座ってボンヤリしてるだけ。


何か手伝おうとしたけれど、柚から“料理が出来るまで、ゆっくり休んでて”と可愛い笑顔で言われてしまった。


まあ…料理をしない俺が、キッチンで手伝いをしようとしても、柚に迷惑かけるだけだろうし、やむを得ないか…。


トントン…とリズミカルな包丁の音が聞こえてくる。


エプロンをしている柚の後ろ姿が視界に映り、ドクン…と胸が高鳴った。


抱き締めてぇな。


家に来てから、既に2回ほど柚を抱き締めてはいるが…


何度だって抱き締めたくなる。


料理の邪魔はしたくないが、自分の欲求は抑えられない。