志麻と瀬羅が癒鼬組に赴いている頃、煌と隼弥は桐也達が根城にしている廃ビルにいた。



隼弥が一緒にいるのは言うまでもなく、煌が心配でついてきたからだ。


煌は断ってもどうせ無理矢理ついてくるのだからと隼弥の申し出を受けた。





「(このご時世に廃ビルって…取り壊せよ…)まじで、こんなところにいるの?」



「前に自分から言ってきたから場所は知ってた。まぁ来たのは初めてだけどな。行くぞ。」



錆びれたビルに足を踏み入れると、見知った金髪が古びた椅子に座っているのが見えた。


桐也は煌の姿を確認するとニヤリと笑みを浮かべ、そしてほんの一瞬隼弥を睨んだ。




「よう、お巡りさん。俺に何か用か?」



「俺を呼んだのはお前の方だろ?どういうつもりだ?」



「んだよ、善良な一般市民が協力してやろうって言ってんだよ?素直に教えて下さい桐也様って言ったらどうだ、煌?」



「ふざけるのもいい加減にしろよ。お前の相手をしてる暇はない。言う気が無いなら帰る。」




桐也のふざけた態度にイラッっとしたが、時間を無駄にする訳にいかないので帰ろうとする。