煌と隼弥が病院にいる頃、志麻達は鑑識から報告を受けていた。




「司法解剖の結果、扇崎吉信の死因は、腹部を鋭利な刃物に刺された事による失血死、死後硬直からみて死亡推定時刻は昨日の午後11時から今日の午前3時と思われます。尚、現場から凶器は発見されていません。」



「財布の中身が無くなってないから物取りの線は消えるな。」



「ということは、怨恨でしょうか?元とはいえ警察は何かと逆恨みされやすいですし。」




捜査の方向を模索していると、鑑識から追加報告が入る。





「それと、もう一点あります。遺体の袖口に微量ですが、覚醒剤が付着していました。」



「覚醒剤がですか?」



「おいおい…、害者は4年も前に退職してんだろ?いくら元警官でもシャブに関わる様なことはないだろ?」



「えぇ、遺体からは検出されませんでしたし所持品にもその類いはありません。現場に争った後がありましたので、犯人ともみ合った時に付着した可能性が高いと思われます。」




「だろうな。てー事は、組対に応援頼まなきゃいけないじゃないか。」



「承諾してくれますかね…指揮権は刑事課の方ですし…」