病院内 外来診察室前――――



「ありがとうございました。」


煌が治療を受け診察室を出ると、神妙な面持ちの隼弥が待合室で待っていた。


「別に待ってなくてもよかったのに。仕事放り出して、先輩にまた怒られるぞ?」


「慣れてるからいい。それより怪我は?」


「大したことはねぇよ。出血の割に傷は深く無かったし、脳にも異常は無かったしな。」


「そっかぁ~良かった~」



心底安心したという隼弥の態度に、驚きやらそこまで心配してくれたのかという嬉しさやらで、煌は何て言っていいか分からなかった。



「さ、さっさと署に戻るぞ。」


このよく分からない感情は今は関係ないと置いておいて、とにかく早く捜査に戻らなければと煌はぶっきらぼうに言い、駐車場へと急ぐ。



「あ!もう少しゆっくり歩かないと…ったくしょうがねぇな。」



病院に向かう車の中での弱々しく青白い顔から、異常も無くいつもの態度に戻っていたので、本当に良かったと笑みを浮かべ、煌を追いかけた。