「那由太、久しぶり。」

呼べるはずないと思ってた呼び方
ずっとずっと呼びたかった呼び方

香水や服、外見は真衣と限りなく近い。
喋り方仕草、イントネーションも似せた。
真衣になる為に出来ることは全部やった。
いくら那由太さんでもきっと気付かない。

確信していた。

それに、たとえ偽りの関係でも
那由太さんと恋人同士になれることが
ただただ嬉しくて堪らなかった