「朝早いのに、ごめんね」 日陰のベンチに座っていると、後ろから声が聞こえた。 「いや! 全然大丈夫だよ!」 声の主は、大翔くん。 私は首を横に振ると、大翔くんはにこりと微笑んだ。 ────中学3年、7月。 部活をやっている生徒にとって、正念場となる月。 3年生は特に。 それは、中体連。 いよいよ、大翔くんにとって、最後の夏がやって来ました。