~トップシークレット~



「ただいま」


梓は小声で言うと、桜の様子を見に行く。
キティちゃんの可愛らしい布団の中で愛くるしい寝顔を確認すると、優しくそっと髪を撫でる。
フワ~っと甘いシャンプーの香り。


「ちゃんと乾かした?」


微笑みながら寝ている桜に話しかける。
答えてくれなくていい。
寝ていていい。
こうやって寝顔を見て話しかけて、気持ちを切り替えている。
もう今からプライベートな時間。
リビングに戻るとゆっくりソファーに体を沈める。
色んな事が頭の中をめぐる。
体の疲れを取るより頭をからっぽにしたい。
奈桜はまだ帰って来そうもない。
今夜は少し遅くなりそうだと言っていた。


「やらなきゃ」


梓にはやらねばならない事があった。