…まさか。
こんなとこで告白されるとは思ってなかった。


本当にどこで何が起きるかわからない。



もう、会うこともないかな。

お腹も膨れたし、さあどこ行こう。



俺は携帯を取り出して、適当に電話をかける。

長いコール音の後、しゃがれた声がして少し笑った。



「あ、拓?」


「……ああ、うん」


「寝てた?」


「……二日酔い」


「ぶは、だっせーの。
出てこいよー今日飲み行こう飲み」


「…却下」


「ふははは、じゃあ今から拓ん家に行く」


「………無理、菜々美いるし」


「関係ないし。菜々美ちゃんいるなら余計行くし」


「はあ!?お前菜々美に何かしたら絶交だからな」



…絶交。
久しぶりに聞きすぎて、笑いをかみ殺すのがしんどい。



隣で高い笑い声がする。

きっと、菜々美ちゃんも聞いてたんだろう。



「…だ、大丈夫、それはないから」


「……笑ってんじゃねえし…」



気恥かしいのか、拓の声に力がない。

しかも、それは俺にってよりも菜々美ちゃんに向けて発せられてるようにも思う。