9月15日。

結局、誠は一睡もできなかった。ひたすらドキドキして、気になって仕様がなかった。朝になる頃には、疲れて果てていた。

「フー……」

ため息をつきながら、時計を見た。時計の針は、8時丁度を指している。そろそろ、登校だ。

「……行くか!」

決心すると、誠は制服に着替えて家を出た。自転車にまたがると、学校に向かった。学校が近づくにつれ、誠の心臓がさらに速くなる。

「頼む…成功してくれ」

そのとき、校門が見えてきた。心臓が大きな音を立てたのがわかった。

「フー、フー……」

息が切れる。気が気ではなかった。だんだん、校門が近づいてくる。

後、五十メートル。


四十メートル。



三十メートル。



二十メートル。




十メートル……





誠は、校門をくぐった。ギュッと目をつぶる誠。

「……」



……しかし、声を掛けてくる者はいなかった。