9月18日。

誠は目を覚ますと、時計を見た。

「8時…」

昨日と同じで、8時丁度だ。誠は制服に着替えると、一階へ降りた。そのときだった。テレビのニュースに目がいく、誠。



―ニュースです。昨日夕方頃、17歳高校2年生、大原友美さんが、学校からの帰宅途中に死亡しました。死因は原因不明、警察は薬を使っての殺人の可能性もあると見て……



「友美ちゃん……」

今日、自分もこうなる可能性がある。その不安だけは、消えなかった。しかし、考えていても仕方が無い。今は、麗菜を信じるしかない。誠は、玄関の扉を開けた。

「行ってきまーす」

秋子にそう言った、直後に気づいた。

「あれ?」

自転車が、無い。そう言えば昨日、自転車で登校して歩いて帰っていた。仕方なく、誠は歩いて登校する事にした。

「今日は、歩く気分や無いんやけどなぁ…」

ボソボソと文句を言いながら歩く誠。そのときだった。遠くの方に、まるで何年も着ているかのようなボロボロの服に、ロン毛の白髪を生やしたおじいさんが寝転がっている。

「ホームレス?珍しいな……」

誠の家の周辺では、あまり見かけない光景だった。

「……」

スタスタと通り過ぎる誠。そのときだった。

「誠」

確かに、呼ばれた。辺りをキョロキョロと見渡す誠。しかし、誰もいない。

「誠」