「…は?」

「私も、あなたぐらいの歳の頃に宣告された、クローン病患者なの。」

笑顔に少しの陰りもなく、鈴木さんが言った。

「だから少しはあなたの気持ちがわかるつもりよ。今が冷静でいられないことも」

「信じない、って言ったら?」

「…またすぐに、もっと詳しく話をするわね。」

そう言って、一冊の軽い本を渡してきた。