「あんたさぁ……。
最近、妙にしっとりしてるわよね。」


と、パソコンから目を外し
並んで座る私を凝視する香澄……。


「えっ!」


「は、はぁ〜ん、さては…
和菓子職人に食べられたわね。」


か、香澄……
食べられたとかって……


「っで、どうだった?
和菓子職人はお菓子作りだけじゃなくて
そっちも甘かった?」


「・・・・・」


て言うか……
香澄…ここ職場ですけど…
それに質問がオヤジくさい……


「香澄っ、な、…何を言い出すのよ。
ほら、前田課長が見てる。
仕事、仕事!」










ふう……
晴れて思いが通じ合ったものの
実は、まだ……
香澄が言うところの
食べられてはいなかった。