まだ昼間なのに、視界ゼロの猛吹雪。


全身を叩き付ける冷たい雪と風が容赦なく行く手を阻む。


「くっそー!前が全然見えん!」


「ちょっと!玄関はどこだよ!?つか風強すぎて前に進めないよー!もう駄目っ、遭難するー!」


「俺につかまれー!」


お互いの姿も見失いそうな状態でガッチリと手を繋いだ。


そして俺は空いた右手を自分の顔の前にかざし、精一杯凝らした目で前を見据える。


「感覚的にあと5メートルだ!急げ!時間がないぞ!」


「もーっ!だからっふがふがっ△×☆◎□!ふががっ!」


俺達の目的地まであとちょっと。