いろんな苦痛に打ちのめされながら何とか牧場に辿り着いた俺は、すぐに仕事用の破れたジーンズとシワだらけのTシャツに着替え部屋を出た。


運転中はずっと膝が笑って足に力が入らず情けなさで涙が出たけど、何より一番辛いのはリンに別れを告げられた事だ。


俺にとってはまさかの出来事。


でもリンにとっては少しずつ何かが溜まってたのかもしれない。


現に俺はリンが知らない所で泣いてたなんて気付きもしなかった。


……不甲斐ない。リンの笑顔に隠された涙の一つも見付けられなかったなんて。


今日もリンのアパートに行こう。


鍵が掛かってても構わない。


フラれるにしても、俺の気持ちを伝えなきゃ死に切れない気分だ。