あたしは声でその人が分かってしまった。 でも振り返らない訳にいかなくて。 あたしは振り返った。 「ほらやっぱり才華じゃん。」 「晃(あきら)。」 「才華、誰?」 と耳元で聞いてくるハル。 「元カレ……。中1の頃の。」 「そうなんだ……」 ハルはまた曇った顔をした。 「あ、彼氏出来たんだ。」 「晃、何が言いたいの……?」 あたしは少しムッとしながら晃に尋ねた。