アルコールランプ、スタンド、フラスコ、試験管。


一通りそろったよね。


よし、やっと帰れる~!


あたしは側に置いてあったカバンを手に取った。


「じゃあ、あたしは帰りますね」


あたしは里中君に礼をして準備室を出た。


いや、出ようとしたところで、里中君に呼び止められた。


「なんでしょう?」


「あのさ、一緒に帰らない?」


「え、っと、すみません。あたし、急いでるので……」


そう、あたしは急いでるの!


だから、早く帰らせて!!


「波野さんさぁ、なんで僕から逃げるの?」


「べ、別に逃げてません、よ?」


じりじりと近づく里中君。


なんか、怖いんですけど!