「わかりました。じゃあ、あたしはこれで」
黒く長い髪をひるがえして去っていった少女を呆然と見ていた。
「アハハハッ。冬馬でも断られることあるんだね」
「うるせーよ」
俺は口調を崩した。
こらえきれない、というように笑うコイツは澤村海斗。
俺の本性を知る唯一の親友だ。
よほど面白かったのか、未だに笑ってる。
「あの子、波野美華(なみの みか)ちゃんだよね? 学年一の美女ってウワサの」
「あぁ、同じクラスなのに、話したことなかったけどな」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…