ケータイ小説 野いちご

普通な学校生活を送るための傾向と対策

第一章
普通が一番よね!

 緋色の人気が
 これほどまでとは思っていなかったから。

 入学式当日、初めて教室に入った時、
 時間ぎりぎりということもあって、
 かなりの人数が教室の中にいた。


 がらりと戸を開け、
 これからクラスメートになる生徒たちが
 緋色の姿を見つけた途端。

 ざわざわとしていた教室が、
 水を打ったように静かになったのよ。



 びっくりしたわ。

 こんな経験は初めてだったから。



 男子も女子もみんなが、
 緋色に見惚れていたのよ。


 緋色が動くたびに、視線が彼女に合わせて動き、
 そして席に着いてからは、一転してざわめきとなり。
 大なり小なり、
 誰もが緋色に、関心を寄せているのがわかったから。



 そばでそれを肌で感じていたわたしは、
 彼女と親友であることがうれしくなった。

 自慢したいほど、誇らしかった。




 緋色はそんなこととは露知らず、

 ひとり―――

 平然としていたけれどね。

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