「……え?」
突然聞こえたその声にビクッと飛び跳ねた身体。
声がした方へおそるおそる振り向けば、そこには見知らぬ男の子が立っていて。
「えっ、と……?」
な、なんでこんな所に男の子がいるの!?
突然現れた男の子にあんぐりと口を開けることしか出来ない私。
っていうか、今喋ったよね?
幽霊とかじゃ……ないよね?
目の前にいるのは確かに本物の男の子で。
その男の子は私を見て困ったように苦笑している。
「驚かせてごめんね?向こうの岩場で海眺めてたら女の子の叫び声が聞こえたからさ。ちょっと気になって」
「えっ!?あ、や、あれは……!!」
うそっ!さっきの全部聞こえてたの!?
「………っ」
駄目だ。
恥ずかしすぎて顔上げられない。
「ごめんね。聞かれたくなかったよね」
「や、そんな謝らないで下さい!!こちらこそなんか、その……」