「相も変わらず…弱い人間だ」



そう呟いた人物の足元は、幾つもの大きな穴が出来上がっている。


その光景から、寸前まで繰り広げられていた戦いが凄まじいものだったのだと容易に想像できる。


「言ったじゃありませんか。式神のいない封魔師など、簡単にひねり潰せるのですよ?」


足元に転がっている拳銃を拾い上げると、目の前に倒れ虫の息寸前の持ち主へと投げる。


「お前は……一体何を考えているっ……」


「言う必要はありませんね。君は今すぐにあの世に送って差し上げます。
さぁ、西園寺家当主…… 自らの力不足と運命を呪いながら死になさいっ」


(菖蒲ちゃん…… 円……
ごめんーーー)



「私の計画は何人たりとも邪魔はさせない……
そのために千年という月日を待ちわびたのですから……」