トントン
翌日の朝。
ドアをノックする音に目を覚ました。
渋々ベッドから起き上がって、ドアを開けると、
「おはよ!紗葉!」
…彼、椎名誠がいた。
「…」
「え、ちょっと無言でドア閉めようとするのやめて!紗葉に会いにきたんだけど!」
「…頼んでないし、きてほしくないし、会いたくないし。」
あんな話を昨日したからもうてっきりこないと思ってた。
…それに私は昨日から余計に彼が苦手になった。
「紗葉ちゃん、それは言い過ぎではないか…」
「…帰れ。」
「ちょちょちょ、また明日って言ったでしょ?だから今日会わなきゃ。約束果たせないじゃん。」
「…別に約束なんてしてないし。」
「まぁ、俺しか言わなかったから確かにしてないけどさー。おじゃましまーす♪」
笑顔で彼はそういうと病室の中に入ってきた。
「ちょっと!勝手に入らないでよ!」
「おじゃましますっていったもん。」
「そういう問題じゃないから!」
「てか、また明日って言ったんだから紗葉も返してほしかったのに…」
そういってしょぼんとする彼。
「…だって…嫌いだから…」