「はい、もしもし」


電話に出ながら慌ててベランダに出た。

つっかけを履こうとして、つまずきそうになる。


部屋でするより、ベランダの方が電話の時は落ち着く。

なんでなのかは知らないけれど。


ソラと付き合うようになって、約五ヶ月が過ぎているけど。


どれだけ出かけても。

どれだけキスをしても。

どれだけ側にいても。


ささいなことにドキドキするのは変わらない。


『なみ……みなみ!』

「ふぇええっ⁈」

『みなみ、話聞いてなかっただろ?』


目を細めて不機嫌そうにしているソラが目に浮かぶ。


「えっ、と……」