「んじゃ、また明日な」
「う、うん。また明日……」
鳳凰学園の最寄りの駅で、朱雀と龍斗と別れ、私は改札を通って電車に乗る。
入学式に参加していないのに、何この疲労感。
明日から授業が始まるというのに、これで本当に平気なのかな?
……私、それを自分に聞いてばかりだわ。
「あっ!響ーっ!」
自宅の最寄り駅で電車を降りると、ホームで名前を呼ばれた。
振り返ると、女の子のグループが数人、駆け寄ってくる。
3月まで同じ中学に通っていた友達だった。
今はそろって、A高校の制服を着ている。
……私も入学できるはずだったA高校の制服を。