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かくして宴が始まり、魔法陣構築科の2年生はジュース片手に騒ぎ始めた。


セリナなどはよほど嬉しかったのか、笑顔のままオレンジジュースを一気飲みして驚かれている。後で腹を壊しても俺様は知らん。



(まぁ、たまにはこんなのもいいな)



俺様ことクリュウはそう心の中で呟きながら、部屋の隅から宴を眺めていた。


そんな俺様に、近づいてきた人間がいる。


決闘で審判をやっていた、担任のガンツとかいう男だ。



「……そなたが黄金龍だというのは、本当か」



無表情のまま、低い声で問われたのはそんなこと。


俺様は、黙って頷いてみせる。


……するとガンツは、俺様の足元を見ながらポツリとこぼした。



「……俺の育ったところには、龍が何匹か生息していた。

しかし領主様の厳命により、龍族は一匹も殺してはならず、それどころか戦おうとする事すら禁じられていた」



抑揚のない、ボソボソした声。


しかしその声には、静かな闘志が宿っているように感じた。