「やっぱりいいよねぇ、最上部長!」


「格好いいし、男らしいし!」


入社してすぐ耳にした噂。
この時の私はまだ新人研修中で、どこの部署に配属か決まっていない時期で。

『最上部長』その単語は頭の中に残ってしまった。


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「初めまして。開発部部長の最上翔太です」


「.......」


入社して三ヶ月後。私の配属先が決まった。そこは念願の開発部で。
小さい頃からお菓子が大好きで。中でもおまけ付きの食玩が大好きだった。
おこづかいを貯めては集めていて、いつからかこんなおまけをつけたらいいのにな。と考えたりしていて。
それを仕事に出来たらなって思っていた。

そして、その夢が叶った。憧れの会社。憧れの部署。
そして、目の前には噂の『最上部長』


「...ちょっ、ちょっと!小林さん?」


隣にいた同期入社の市川咲花さんに、最上部長に見えないように肘でつつかれ、我に返る。


「あっ!...すっ、すみません!小林宏美です!!」


慌てて自己紹介をして、頭を下げる。


「こっ、小林さん!?」


...はっ!!
しまった!ちょっとさすがにこれはオーバーリアクションすぎるよね。

気付いたからには、恥ずかしくてなかなか頭が上げられない。


どっ、どうしよう。


そんな時、頭上から聞こえてきたのは最上部長の笑い声。


えっ...?

その声に思わず頭を上げると、最上部長は笑っていて。

そしてその笑顔に、私のハートは一瞬で奪われてしまった。


「ごめんごめん。...うん、俺は元気のある部下の方が好きだから嬉しいよ」


『好きだから』別に私のことを好きって言ったわけじゃないのに、胸が苦しくなってしまった。


「...小林さん?大丈夫?」


胸が苦しくて硬直したままの私に声を掛けてくれたのは、市川さんで。
市川さん。...咲花と仲良くなるには時間はかからなかった。


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「はぁ。今日も部長かっこよすぎ」


「はいはい。分かったらさっさと食べちゃいなさい!」