ピピピッ…ピピピッ…


「ん……」


翌朝。


鳴り響く目覚まし時計の音で、ゆっくりと目を開けた私。


あくびをしながら時計を止めて、体を起こした。


もう朝かぁ…。


カーテンの隙間から差し込んでくる太陽の光。


眩しさに目を細めた。


いつもと変わらない穏やかな朝。


昨日の、皆辻君との出来事は全て夢なんじゃないか…と思ってしまう。


本当にそうだったら、いいのになぁ…なんて、のほほんと考えていた時だった。



「お姉ちゃん、お姉ちゃんっ!!」


私の部屋のドアが勢いよく開いたかと思うと、中学2年生の妹の梨帆(リホ)が、慌てた様子で中に入ってきた。


「ちょっと、梨帆!部屋に入る時はノックしてって、いつも言ってるでしょ!?」


「そんなこと言ってる場合じゃないってば!」


ベッド脇に駆け寄ってきた梨帆は、私の腕をガシッと掴んだ。


「ものすっごくカッコいい男の人が、お姉ちゃんのこと…迎えに来てるよ!」


「えっ……?」


「スタイルよくて顔も整っていて、王子様…っていう言葉が似合いそうな人!」


それって、まさか…。