すっかり夕日が沈んで薄暗くなってきた繁華街を俊平と歩いていると、俊平の携帯がなった。



俊平はあたしに腕を回したまま携帯を取りだし電話にでる。




「俺だ」




俊平は必ずってほど、電話に出て第一声は俺だって言う。



毎日あたしにかけてくる電話の第一声も同じだ。




「あ?今?繁華街だけど」




一緒にいるときによくなる俊平の電話はきっと友達が多い証だ。



でもいつもあたしを優先してくれるかのように“今忙しいからまたかける”って言って電話をきる。


ゲーセンとかで遊んでいるだけなのに。




「あ?ちょっと待ってろ」



でも今日はいつもと違う。



俊平は電話を耳から離してあたしに視線を向ける。